「早狩武志」氏による『Dies Irae』のコメント

http://www.tt.rim.or.jp/~hayakari/guchi.html

簡単には手に入れられない感動や、自分がこのゲームを見いだした、といった喜びを求めるのならば、制作会社同様、ユーザー様もリスクを背負うべきではないでしょうか。

この的外れなコメントには大変失望させられた。トークショーでお姿を拝見した際には、良識のある人物という印象を抱いていただけに、殊更。どうやら「早狩武志」氏という才能を見誤っていたようで。
当初の前提をいくつも覆しておきながら出来る筈の事前告知が皆無な状態で、文字通り"怒りの日"を向かえ、ネット上に酷評と怨嗟の声が蔓延してから手のひらを返す。ああいった確信犯的なある種の意図を持った売り方をしておきながら、こうゆうコメントって、何か違うんじゃないカナ。じゃないカナ。二度言うな。なんか「買ったお前らが悪い」とか「騙される方が悪い」的な表現に捉えられてしまうのですが。恐るべし、早狩イズム。ままならんなあ。自分としても、"面白くなかった"="非難を浴びた"は繋がるだけに同意出来ますが、「正田崇」氏が書いてないから面白くなかったとか、絹の一枚生地のはずが、綿のパッチワークのような継ぎ接ぎされた中途半端な作品と思わせてしまう隙や燃料を与えてしまったのがそもそもイケナイなかったのではないかと思うだけに、ちょっと論点がズレているように見受けられました。ベストは「正田崇」氏がすべて執筆した状態で発売するか、それが不可能だったのであれば、事前告知等の納得させられるだけの材料をキチンと事前に用意さえすれば、ここまでの騒動にはならなかったでしょう。身内の事情で唾吐いておきながら、それをユーザーに拭かせるというのは、ちと違うような気が。
もし、ユーザーにもリスクを背負えとおっしゃるのであれば、評価が(ある程度)固まったリスクの少ない状況で購入するチキンユーザー買いがやっぱり一番確実ですね。「この作品は、俺様が見出したze!」なんてユーザー様丸出しな悦が入ったところで、第三者からすれば滑稽そのもので、ただ嘲笑されるだけ。仲間達ともしばし話題に上がるのですが、あくまで自分としては、好き好んで、地雷原に特攻することもないという考えの持ち主なだけに、過去の実績があって金銭ではなく琴線に触れて、ユーザー側にリスクを求めない安心のブランドやクリエイター買いに走ってしまいます。着実に評価を積み重ねていった老舗ブランド(まぁ商法と揶揄される狡いブランドもいくつかありますが)が2007年の売り上げ上位を占めているという結果が如実に現れてますし。
ユーザー側には"買わない権利"があるのだから、それを行使すればいいのですが、馬が目の前にニンジンをぶら下げられて喜ぶかのごとく、魅力的な購入特典や予約特典を付けて、評価が固まる前に売り逃げしようとする嘘と欺瞞に満ちた焼畑農業的手法が跋扈しているのが、イマのエロゲー業界。く、くやしい(ぶるぶるっ)、でも…欲しいから購入しちゃう!だから、安心買いとはいえ、ちょっと横道に逸れただけだけでも、うっかり地雷を踏んでしまう。「地雷を踏むという行為を楽しむ」というおおらかな自虐思考の持ち主な方々もいらっしゃいますが、何千円というけして安くない金銭を払い、何十時間という無限ではない多大な労力を費やした後、得た対価がしょんぼりだったものを許容できる方は、そうそういませんよ。そりゃ攫まされたら、文句のひとつも言いたくなるのが人の子ってもんでしょう。ただでさえ、年間売り上げ本数12位という結果が表すように、同作に多大な期待を抱き信用していたユーザーは多かったのですから。まさに「期待は失望を二乗する」を地でいってしまいました。*1
俺様理論で恐縮ですが、一部の愉快犯は別にしても、本当に待ち望んでいたユーザーの期待に応えることが出来なかったという事実を真摯受け止めて、この教訓が次回以降の作品で生かされることで、早狩氏のおっしゃる"簡単には手に入れられない感動"が得られる作品が世に生み出されて、評判買いの自分でも安心して"購入する権利"を行使できる時をただただ待ち望みます。*2とりあえず、パイオツカイデーな妙齢のキャラが、卑語を喋りまくるインモラルなファックゲームが好きです。"あきらかに管理された、クリエーターとは呼べない方々が作る、当たり障りのないゲームを量産するメーカー"がそのような作品を作るかもしれませんが、それが面白ければ、そちらを選択しますよ。ええ。ええ。その前に、エロゲを卒業してしまいそうな勢いですが。いやはや。


つまり「作るヲタと買うヲタが真剣に勝負する戦場。それがエロゲよ。」と言うことで。戦場で後ろから撃たれて、「卑怯だ!」などと喚き散らす馬鹿者がどこにいるのか!ってこった。
いいぞ、ベイべー!文句を言うエロゲオタはクレーマーだ!文句を言わないエロゲオタはただヌルオタだ!!ホント、エロゲは地獄だぜ!フゥハハハーハァー。

【関連】propellerスタッフ募集

http://www.propeller-game.com/rec.html

当ブランドでは、なんかこう胸とかちょっと口では言い辛い部分にぐっとくるエロゲーを開発するためのスタッフを募集しています。
ああ、モノが作りてぇ、作るためには他の犠牲を厭わない、ほらアーティスティックなこの俺を見てくれ!
というあなた!
どしどしよそ様へご応募ください。
我々が欲しているのは、
「面白いもの(お客様が喜ぶもの)を作りたい」
「受け手の笑顔がなによりの報酬」
「ついでに自分(作り手全て含む)も幸せになりたい」

という利他だか利己だか判然としない、しかし、物作りをせねば立ちゆかぬ人たちです。

propellerスタッフ募集を見た後だと、「早狩武志」氏って、クリエイターよりも、典型的な俺様ちゃん気質なプライドの高いアーティスト肌なのかなと思った。
ユーザーを楽しませたり喜ばせることよりも、自分の作家性の方が重要なようで。しかも「群青は俺の物語」とか言っちゃってるし。コレって間違ってないけど、正しくないよね。。

【関連】「オタサガ〜悲しくも頼もしきオタクのSaga(性)〜」、「『Dies irae』追加版製作告知で、”怒りの日”はまだまだ続く。」

http://otasaga.blog16.fc2.com/blog-entry-352.html

【関連】「しろぶ@はてな」、「Dies Iraeへの反響を受けた早狩さんの日記」

http://d.hatena.ne.jp/sirobu/20080103#1199299471

【関連】「貴方の身体にキャンドルサービス」、「Dies iraeは結局未完成だったようです」

http://xxcandlexx.blog98.fc2.com/blog-entry-176.html

【関連】「ニャソの気ままな雑記帳(改)」、「謹賀新年 & ディエス・イレに対して。 」

http://blog.so-net.ne.jp/nyaso/2008-01-03

*1:ギャグとはいえ、「lightは「Dies irae」で、Fateを超える。」とかスレが立っちゃうし。ある意味、震えちゃったわ。震えるほどHeart! 燃え尽きるほどHeat!

*2:ちなみに『Dies Irae』は回避してしまいましたが、元々興味はあったので、評判良ければ購入するつもりでした。